その他研究開発(共同研究等)

内航船の新船インベントリ作成実証実験

研究実施期間:2011年11月01日 ~ 2013年07月31日

共同研究者

社団法人日本中小型造船工業会
株式会社エスエス・テクノロジー

研究の概要

 シップリサイクル条約では、国境を超えて輸出される船舶に「インベントリ」の携行を義務づけている。内航船は、一般的に建造後10年前後から海外に売船されるため、新船建造時には国内だけで運航されるのが前提であっても、海外売船時には「インベントリ」の携行が要求される。しかし、海外売船時に、有害物質の含有状況を素材・機器メーカに遡及調査して「新船インベントリ」を作成することは実質上不可能である。
 一方、2012年10月のMEPC64で、検査および証書のガイドラインを含むすべてのガイドラインが採択される予定であり、その後、シップリサイクル条約は発効要件を満たすだけになる。内航船の建造期間は、受注後少なくとも1年以上の時日を要するため、インベントリ作成体制は、最低限条約が発効する1年以上前には整備しておかなければならない。
 内航船建造造船所といえども、海外売船を前提としているため、「新船インベントリ」作成体制を整備する必要がある。しかし、内航船建造造船所は、一般的に、自助努力で「新船インベントリ」を作成するだけの人的資源がない。
 このため、本事業では、内航新造船を対象に、NKが開発した「PrimeShip-GREEN/SRM」を活用し、すべての素材・機器メーカからの材料宣誓書(MD)および供給者適合宣言(SDoC)の収集を含む、新船インベントリの作成実証実験を行うことによって体制整備を促進する。また、同条約で要求されるSDoCは、「法令の遵守」および「化学物質含有情報の入手」を要件としており、その遵守を証明する社内管理文書名をSDoC中に記入する必要がある。その代表例として、ISO9001が挙げられている。そこで、シップリサイクル条約対応の一環として、中小造船所がISO9001を取得するためのマニュアルを作成するとともに、協力工を含む、品質管理体制の整備・教育を図る支援を行う。

1. 内航船の新船インベントリ作成実証実験

2. ISO9000取得支援

研究成果報告書

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