その他研究開発(共同研究等)

海外船舶リサイクル施設認証トライアル

研究実施期間:2012年08月01日 ~ 2014年02月28日

共同研究者

株式会社ClassNKコンサルティングサービス

研究の概要

 国際航海に従事する大型船の解体・リサイクルは、その大半がバングラデシュ、インド等の発展途上国で行われている。これらの地域では、安全・環境規制が整備されていないため、解体現場では死傷事故等が多発する危険な状況であり、周辺環境の汚染も深刻化している。このような問題を解決するため、IMO(国際海事機関)は2009年5月に香港の条約採択会議でシップリサイクル条約を採択した。
 条約が発効すると、船舶リサイクル施設は、「船舶リサイクル計画(SRFP)」を作成して所管官庁(またはその代行機関)の検査・承認が義務付けられるとともに、締約国の船舶は、承認された施設でなければリサイクルできなくなる。したがって、条約の要件を満足し、承認可能な船舶リサイクル施設を確保することが世界的な課題となっている。
 そのような背景により、国内外の船主から、NKおよびClassNKコンサルティングサービス(NKCS)に対して、条約の発効に先立ち、世界の船舶リサイクル施設を第三者として評価し、条約の要件を満たす船舶リサイクル施設を紹介してほしいという要請が高まっている。
 本調査研究では、上述した船主の要請に答えるため、コンサルティング会社であるNKCSが、海外のリサイクル施設の条約適合性を評価する。また、必要に応じて、条約の要件であるSRFPの作成補助、施設の改善提案の作成等のコンサルティング業務を実施する。そして、評価機関であるNKが、第三者機関として船舶リサイクル施設を承認し、鑑定書(SOF)を発行して、優良なリサイクル施設を世界の船主に紹介するまでの一連のプロセスを確立することを目的とする。
 そのために、中国、インド、トルコ等の主要リサイクル国の船舶リサイクル施設をモデルヤードとして選定し、法令調査、条約要件を満たさない部分の分析(Gap Analysis)、SRFPの作成指導および施設の改善計画作成等、コンサルティングを実施する上で必要な業務をトライアルとして実施する。

研究成果報告書

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