その他研究開発(共同研究等)

主機用スートフィルタに関する研究開発

研究実施期間:2012年08月09日 ~ 2014年02月28日

共同研究者

第一中央汽船株式会社
独立行政法人海上技術安全研究所
日本ガイシ株式会社

研究の概要

 船舶からの排ガスについては、NOx、SOx等の規制が先行しているが、スートを初めとするPM(粒子状物質)に対しての取り組みは遅れており、今後の排ガス規制の重要課題となる可能性がある。すでに比較的小型で4サイクルの発電機関用のものとして、停泊中の運転から発生する排ガス中のスートを除去するスートフィルタ装置が商品化されている。しかし、大型で2サイクルの主機においては、排ガス量の多さに伴うスートフィルタ装置の肥大化、および低温排ガスによる凝集成分のスートフィルタ表面への付着による目詰まり等が課題となり、実用化されていない。
 本事業は、スートフィルタのコンパクト化及び低温排ガスへの適用化、ならびに今後のPMに対する基準策定に備えた基礎データの取得を目指し、C重油を使った陸上実験、およびその成果を反映し実船実験を行う。これらの研究開発により、実用的な大きさで、スート除去性能を安定して維持可能な、大型2サイクル主機用スートフィルタを開発するとともに、基準策定に備えた基礎データの取得、他のSCR等の排ガス後処理装置との組み合わせの最適化について検討する。

1. 陸上実験用スートフィルタ装置類の製作、設置、動作確認
 陸上実験用スートフィルタ装置およびその付帯装置(昇圧ファン等)を製作する。また、陸上実験で試験用機関として用いる舶用機関の排ガスは比較的高温であることから、低温である大型2サイクル舶用機関の排ガスを模擬するために必要となる冷却装置も製作する。そして、製作されたこれら陸上実験用スートフィルタ装置類を、陸上実験場所に輸送し、試験用機関にて動作確認を行う。

2. 陸上での試験用機関によるスートフィルタ装置実験
 陸上実験用スートフィルタ装置類により、C重油を燃料として、以下の陸上実験を行う。
2-1. 圧損上昇実験及び逆洗間隔の設定実験
2-2. 短時間連続実験
2-3. 長時間連続実験
2-4. C重油焚き2サイクル舶用機関排ガス計測

3. 実船での主機用スートフィルタ装置実験
3-1. 実船実験用スートフィルタ装置の製作、設置、動作確認
3-2. 実船実験の実施

研究成果報告書

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