その他研究開発(共同研究等)

SCR脱硝性能への排気ガス成分の影響と耐久性に関する研究開発

研究実施期間:2012年06月20日 ~ 2014年03月31日

共同研究者

ヤンマー株式会社

研究の概要

 IMOによるSOx規制は燃料中の硫黄分で規定しており、低硫黄燃料の流通が将来叫ばれる中、燃料コストの観点からスクラバー装置とともに低質高硫黄燃料(以下低質燃料)の使用が検討されている。SCRに注目すると、低質燃料の運転においてはスート付着による触媒目詰まりが懸念され、一般的にはエアブローを行うことにより防止している。スーパークリーンマリンディーゼルプロジェクトにおいては、多層構造の触媒槽(一つ一つの長さが短い触媒ブロック)を供試したが、実用SCRではロング型の触媒が採用されることが多く、一旦スートが付着・堆積してしまうと、多層構造と比較して後段側への影響が大きくなり、触媒活性の機能を失うことが懸念される。
 そこで、本事業では長さが異なる触媒を供試して、低質燃料による耐久試験を行うことにより、触媒差圧と脱硝率の関係を調査する。この際、エアブローを使用せず、スート付着を加速させることとする。一方、ロング型の触媒については、本触媒構造に対するエアブローの効果を明確にするために、エアブロー付きでの耐久試験も行う。触媒差圧と脱硝率とが何らかの関係を有することになれば、触媒差圧計測が劣化検知方法の一つとして使えることとなり、船舶へのSCR搭載後の定期検査にも有用である。なお、耐久試験は機関条件としては、低質燃料での酸性硫安析出を防止するため、予め排気ガス温度を上げた仕様とする。
 次に2011年度事業において、硫黄分の異なる燃料を供試した結果、低負荷の脱硝率が低下するといった課題が挙がっていた。ある文献によれば、尿素水噴射量の増加に伴い、PM濃度が増加するといった記述がある。そこで、燃料種変更試験を行うことにより、PM濃度を脱硝性能の関係についても調査を行う。

研究成果報告書

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