その他研究開発(共同研究等)

4ストローク低速ディーゼル機関用コモンレール式電子制御燃料噴射装置実船相当の試験機関用装置設計および検証試験

研究実施期間:2012年11月01日 ~ 2014年10月31日

共同研究者

三洋海運株式会社
株式会社赤阪鐵工所
ナブテスコ株式会社

研究の概要

 舶用4ストローク低速ディーゼル機関は、低燃費、低質燃料油に強い、直結型推進システムが可能という特徴があり、内航船や漁船に多用されている。機関から排出される大気汚染物質については、IMOによる段階的なNOx規制が進められており、規制適合に向けた実用化研究が進められている。排ガス浄化技術の中でも、特に燃焼制御の自由度が高い電子制御燃料噴射技術は、エンジンメーカーとしては重要な位置づけにある。
 実用化されている電子制御燃料噴射技術は、2ストローク低速ディーゼル機関に採用されている油圧駆動燃料噴射技術(カム駆動を廃止し、油圧ピストンで燃料噴射ポンプのプランジャを駆動する。Unit Pump System, UPS)とすでに自動車用で普及しているコモンレール式燃料噴射技術(高圧燃料油を容器に蓄圧して電磁弁で自在に噴射制御する。Common-Rail System, CRS)に大別される。CRS装置は、構造がシンプルでUPS装置に比べて燃料油の噴射圧力や噴射タイミングを幅広く選択できるなど制御の自由度が高い。また、必要機器が少なく、メンテナンス性の向上や専有面積の減少という観点からも実用化が有望であるが、国内ではCRS装置を備える4ストローク低速ディーゼル機関の実用化例はない。
 本研究では、4ストローク低速ディーゼル機関に適合した国産のCRS装置の設計・製作ならびに試験機関での検証試験を行い、実用化の目処を立てる。

・国産初となる4ストローク低速ディーゼル機関用CRS装置の設計・製作
・従来の噴射装置に比べて噴射制御の自由度の改善
・NOxと燃費の最適化
・低負荷時の黒煙排出削減

研究成果報告書

その他研究開発(共同研究等)に戻る