その他研究開発(共同研究等)

NGH輸送船 荷役装置の開発

研究実施期間:2010年10月01日 ~ 2011年11月30日

共同研究者

三井造船株式会社
宇部興産機械株式会社

研究の概要

 世界のエネルギー需要は、途上国を中心とした急速な経済成長と人口増を背景に増大を続けており、石油・石炭・天然ガスといった化石燃料が一次エネルギー需要の大半を占めている。 なかでも天然ガスは環境負荷が小さいことから、近年ますますクリーンなエネルギーとして注目を浴びている。 一般的に化石燃料開発では、燃料田の規模で採算ラインが決まってくることが多く、中小規模の燃料田は多数あるものの事業化はほとんど見送られている。 天然ガスを低温・高圧状態で水と反応させることで保持温度を大幅に上昇させる輸送媒体となる天然ガスハイドレート(NGH, Natural Gas Hydrate)は、極低温設備が不要となるなどLNG(液化天然ガス)よりも経済的に有利であり、採算ラインから外れているガス田を商用ベースに乗せてくる可能性が期待されている。
 NGHの海上輸送を担うNGH輸送船では、荷役装置がキーテクノロジーであり、安全で確実な荷役装置の開発が必須である。NGH荷役装置のシステムとして、安全性に優れ、荷役オペレーションが容易な「水平スクリューによる積込払出式サイロ」(「水平スクリューサイロ」と称す)方式を採用すると、貨物艙下部に水密装置とコンベアを配置する必要があり、メタン雰囲気の防爆仕様やNGHペレットの冷温対応や固着力についても検討の必要がある。
 本研究では、水平スクリューサイロ方式の荷役装置がNGH輸送船に適用可能であることを確認し、NGH輸送船の概念設計を実施する。
 以下の試験を段階的に実施することで設計情報を取得した。

1. スクリュー性能試験
 NGHペレットの固着力を考慮したスクリューおよび旋回装置の動力とこれに伴う強度に関する知見を取得する。

2. 大型模型機能試験
 1.で得られた動力および強度に関する知見および機能について大型模型で確認し、スクリュー制御情報等の運用上の知見を取得する。

研究成果報告書

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