その他研究開発(共同研究等)

熱回収型バラスト水処理装置(TAFシステム)の実用化研究

研究実施期間:2011年03月10日 ~ 2012年01月31日

共同研究者

社団法人日本中小型造船工業会
株式会社大晃産業

研究の概要

 バラスト水管理条約の発効を間近に控え、我が国のバラスト水処理装置開発も最終局面を迎えているが、いまだD2基準を満たす生物殺滅能力と経済性と船内設置スペースの両立性において、完全と呼べるものが開発されるに至っていない。 そのような中、日本中小型造船工業会傘下の(株)大晃産業が中心となって研究が進められている熱回収型バラスト水処理装置(TAFシステム, Thermal Aqua Filtration System)は、海洋環境への影響がほとんどないだけでなく、生物殺滅能力と経済性にも優れていることが最近のモデルプラント試験により立証され、早期の実用化が望まれるようになった。
 上記TAFシステムを実用化するため、本プロジェクトでは装置の小型化、同条約の求めるG9(活性物質を使用するバラスト水管理システムの承認に関するガイドライン)の対象外であることの確認および高温時のスケールによる伝熱性能を評価する。

1. 装置の小型化
 現行70℃、5分間の処理を行っている殺滅タンクにおいて、1分間での殺滅効果がD2基準を満足できるか確認することで、殺滅タンクの小型化を図る。

2. G9対象外であることの確認
2-1. 処理システムからの溶出物の確認
 70℃で殺滅処理した際に、処理水に含まれる殺菌タンクや配管等からの有害な溶出物がないことを
確認する。
2-2. 処理水の無毒性評価
 活性物質を使用しないTAFシステムは、G9審査の対象外と期待されるが、全ての処理システムに対して
何らかのG9対応が求められるという国際動向を踏まえ、処理水の無毒性を証明する。
3. 伝熱性能の評価
 プレート式熱交換器の伝熱性能について、高温時のスケールによる影響を調査する。

研究成果報告書

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