その他研究開発(共同研究等)

環境配慮型曳船に関する研究開発

研究実施期間:2011年08月01日 ~ 2013年07月31日

共同研究者

新潟原動機株式会社
日本郵船株式会社

研究の概要

 CO2、NOxなどの環境負荷低減や燃料消費量削減のため、環境に配慮した設計をする必要がある。そこで、ハイブリッド自動車のように、船舶においてもディーゼルエンジンとモータ、バッテリーで推進するハイブリッド推進システムの開発を行う。これによって、環境問題の解決に貢献し、ハイブリッド船舶の普及およびわが国の造船技術の向上、および海事産業の発展に寄与することを目的とする。
 本システムの推進装置動力源は、ディーゼルエンジンとバッテリーからの給電を可能とするモータを併用したシステムである。このバッテリーにエネルギー密度の高いリチウムイオン電池を採用することで、設置面積が小さくなり、タグボートなどの比較的設置スペースが限られる船舶にとって有効となる。リチウムイオン電池を用いたハイブリッド推進システム船舶という新たな分野が確立できれば、港湾基地の陸用受電(急速充電器等)のインフラが整えられることで、プラグイン式の小型船舶システムへの発展が期待できる。また、太陽光発電などの自然エネルギーを蓄電することで、船内の安定的な電力供給への道を開く。
 推進機出力を、2機2軸船の片舷分2,200PS(1,618kW)で検討したケースで、従来のシステムからの燃料消費量とGHG排出量ともに20%削減を目標とする。

1. 実験船搭載の各機器設計
 ハイブリッドを構成する各装置の設計を行い、図面化する。

2. 実験船搭載のパワーマネージメント設計
 ハイブリッド装置の定格、需要率から船内電力計算書を作成する。船内電力ならびに制御方法を考慮したハイブリッドシス テムのトータルパワーマネージメント設計(保護協調,ノイズ対策含めた)を行う。操作性、運用と効果を考慮した制御の最適性検討を行う。

3. 船内レイアウト設計
 タグボートに搭載する装置を配置し、船内レイアウト設計を行う。リチウムイオン電池の安全性を考慮した消化設備の検討を行う。

4. ルール適用化検討
 ハイブリッド適用のルールを国土交通省及び日本海事協会と協議し、整備する。

5. 建造対応
 製作スケジュールを詳細に詰め、ハイブリッド化に伴う新規構造に関わる組立方法や治具等の整備を進める。

6. 納入、据付、試運転、公試対応
 納入から公試にかかる作業対応。

7. 検証試験方案作成
 測定項目の設定と測定機器の選定ならびに効果確認方法をまとめ、建造後の検証試験方案をまとめる。

8. 検証試験
 実船でのデータ測定を行い、サンプリングしたデータをまとめ、解析を行い、効果算出を行い、報告する。

9. 報告書作成
 検証試験の内容と結果をまとめ、報告書を作成する。

研究成果報告書

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