その他研究開発(共同研究等)

カーゴホールド側に発生した疲労き裂に対する超音波探傷の研究開発

研究実施期間:2011年12月01日 ~ 2014年11月30日

共同研究者

常石造船株式会社
財団法人発電設備技術検査協会

研究の概要

 船舶の構造において、大骨と大骨が取り合う箇所では高応力となり疲労き裂が発生する可能性がある。このようなき裂は、おおむねカーゴホールド側の溶接止端部から発生するため、従来は積荷あるいはバラスト兼用艙であればバラスト水が無くなったときに液体浸透探傷等で行われることが一般的であるが、検査を実施できる時期が限られていた。また、タンカーの場合はこの区域に重油が積載されているため、検査を行うためには重油を抜いて清掃しなければならず、通常は定期検査時まで確認することはできない。他方、隔壁を挟んだバラストタンク側は、航海中にも乗員が接近する事が可能な場合が多く、バラストタンク側から検査できれば、航海中にき裂の発生を確認した場合には、次の停泊地での補修等を事前に手配することが可能になり、安全な航海および効率的なメンテナンスに対する寄与は大きい。以上のように、カーゴホールド側に発生したき裂を、航海中あるいは荷役中に、バラストタンク側から容易に検査できる技術は、船の安全性/環境面/メンテナンス費などの観点から開発の必要性は高い。
 本研究では、船舶の効率的なメンテナンスに寄与することを目的として、バルクキャリアやチップ船のカーゴホールド二重底側(バラストタンク側)からの超音波探傷(PAUT: フェーズドアレイ超音波探傷試験)により、バラスト兼用倉前後のロアースツールダイアフラムと二重底ガーダー/フロアとの交差部に発生する疲労き裂を検出する方法を開発する。さらに、通常のUT(超音波探傷試験)にかわり、PAUTを新造船の溶接継手部の非破壊検査に適用するためのPAUT実施要領および検査要領を取りまとめる。

研究成果報告書

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