EU舶用機器指令(MED) 製造者向け案内

本ページではEU舶用機器指令に基づく検査、審査および証明サービスを受ける立場の製造者向け情報をご提供しております。

初めに

申込により、弊会ピレウス事務所 Nippon Kaiji Kyokai (Greece) S. A. としてギリシャに登録され、ギリシャ政府に認められたノーティファイドボディ(Notified Body)の一つ)(以下、「ノーティファイドボディ(Notified Body)」と略称する)は、弊会本部の材料艤装部及び認証部の協力の下、材料・機器(以下、製品と略称する)に対し、EU舶用機器指令に従い、適合性評価を実施します。
適合評価完了後、材料・機器製造者は、製品に舵輪マークを貼付し、適合宣言書(Declaration of Conformity)を発行し、その製品を市場に出荷することができます。

舵輪マーク

適合性評価手順

EU舶用機器指令に従った製品の適合性評価手順の概要をフローチャートに従い、以下に示します。

ステップ1. 製品とEU舶用機器指令附属書MEDアイテムリスト(旧A.1リスト)

材料・機器製造者は、対象となる製品が、適宜発行される欧州委員会規則の附属書(以下、「MEDアイテムリスト」と略称する。)に掲載されていることを確認します。

ステップ2. 適合性評価手順の選択

MEDアイテムリストには、製品ごとに、適用可能な適合性評価の手順が定められています。材料・機器製造者は、そのような適合性評価の手順の中から、製品の出荷頻度・個数等を考慮し、検査或いは審査による評価、或いは検査と審査の組合せによる評価等、最適な手順を選択します。
一例として、救命艇に適用することのできる適合性評価手順としての検査と審査の組合せ例は、次の通りです。

  • EC型式検査(モジュールB)+ 生産品質保証(モジュールD)、
  • EC型式検査(モジュールB)+ 製品確認検査(モジュールF)、又は
  • ユニット検査(モジュールG)

ステップ3. 申請書の提出

材料・機器製造者は、適合性評価のための検査・審査申請書をノーティファイドボディ(Notified Body)に提出します。

ステップ4. 検査・審査及び証明書等の発行

(1)初回検査及び審査

適合性評価手順のうち、ユニット検査(モジュールG)が選択される場合を除き、材料・機器製造者は、まず、はじめに、EC型式検査(モジュールB)を選択する必要があります。
EC型式検査(モジュールB)を選択した材料・機器製造者は、EC型式検査(モジュールB)の申込みを行います。
EC型式検査(モジュールB)完了後、同社における品質システムの確立・実施の有無・程度等により、EC舶用機器指令MEDアイテムリストで認められている適合性評価手順の中から、生産品質保証(モジュールD)、製品品質保証(モジュールE)、或いは、製品確認検査(モジュールF)のいずれかを選択し、検査・審査の申込を行います。
ユニット検査(モジュールG)を選択した製造者は、ユニット検査(モジュールG)に加えて、他の検査或いは審査を選択する必要はありません。
EC型式検査(モジュールB)、生産品質保証(モジュールD)、製品品質保証(モジュールE)、製品確認検査(モジュールF)、ユニット検査(モジュールG)の検査・審査の概要を以下に示します。

EC型式検査(モジュールB)

ノーティファイドボディ(Notified Body)は、型式を代表する製品について、技術文書をレビューし、試験及び検査を行い、その結果が国際条約、国際基準等に定める要求を満たしていることを確認します。
満たしていることが確認された場合、型式承認書(EC Type-Examination Certificate)が発行されます。

生産品質保証(モジュールD)

ノーティファイドボディ(Notified Body)は、材料・機器製造者における製品の製造及び試験・検査にかかわる一貫した品質システムに対して審査を行います。審査に合格した場合、適合通知書(EC Notification of Compliance)が発行されます。
また、製造者による製品への舵輪マークの貼付及び適合宣言書(Declaration of Conformity)の発行が可能となります。 製造者が、適用規格をISO 9001規格とし、審査範囲に製品が含まれた、弊会により認証・登録された品質マネジメントシステムを有している場合、生産品質保証(モジュールD)審査に際し、効果的で、認証・登録された品質システムを有しているとして、その事実が考慮されます。

製品品質保証(モジュールE)

ノーティファイドボディ(Notified Body)は、材料・機器製造者における製品の試験・検査に関する品質システムに対して審査を行います。審査に合格した場合、適合通知書(EC Notification of Compliance)が発行されます。また、製造者による製品への舵輪マークの貼付及び適合宣言書(Declaration of Conformity)の発行が可能となります。
製造者が、適用規格をISO 9001規格とし、審査範囲に製品が含まれた、弊会により認証・登録された品質マネジメントシステムを有している場合、製品品質保証(モジュールE)審査に際し、効果的で、認証・登録された品質システムを有しているとして、その事実が考慮されます。

製品確認検査(モジュールF)

ノーティファイドボディ(Notified Body)は、全ての製品について、試験・検査を行い、その結果が国際条約、国際基準等に定める要求を満たしていることを確認します。試験・検査完了後、適合証明書(EC Certificate of Conformity)が発行されます。
また、材料・機器製造者による製品への舵輪マークの貼付及び適合宣言書(Declaration of Conformity)の発行が可能となります。

ユニット検査(モジュールG)

EC型式検査(モジュールB)が適用しにくい製品については、ユニット検査(モジュールG)によります。
ノーティファイドボディ(Notified Body)は、個々の製品について試験・検査を実施し、国際条約、国際基準等に定める要求を満たしていることを確認します。 試験・検査完了後、適合証明書(EC Certificate of Conformity)が発行されます。
また、材料・機器製造者による製品への舵輪マークの貼付及び適合宣言書(Declaration of Conformity)の発行が可能となります。

(2)定期的検査・審査

EC型式検査(モジュールB)

ノーティファイドボディ(Notified Body)は、有効なEC型式承認書(最長5年有効)を発行します。
同承認書は、5年ごとに、必要に応じ試験・検査実施後、新たに5年間有効なEC型式承認書が発行されます。

生産品質保証(モジュールD)及び
製品品質保証(モジュールE)

材料・機器製造者の確立した品質システムが維持されていることを確認するための、定期的な審査が必要となります。
製造者が、適用規格をISO 9001規格とし、審査範囲に製品が含まれた、弊会により認証・登録された品質マネジメントシステムを有している場合、生産品質保証(モジュールD)及び製品品質保証(モジュールE)審査に際し、効果的で、認証・登録された品質システムを有しているとして、その事実が考慮されます。
これらの定期的な審査は、一般に、ISO9001の審査時期に合わせて実施されております。

ステップ5. 舵輪マークの貼付及び適合宣言書の発行

検査及び審査完了後、材料・機器製造者は、製品に舵輪マークを貼付し、当該製品に適合宣言書を発行し、当該製品を適合宣言書とともに出荷することが可能となります

ステップ6. Directive 2014/90/EU発効に伴う主な注意点

全面改訂されたDirective 2014/90/EUの発効(2016年9月18日)に伴い、新たに導入された以下の要件にご注意願います。

  • 適合宣言書(Declaration of Conformity)の船上保管
  • ノーティファイドボディ(Notified Body)への適合宣言書の写しを提出
  • 認定代理人(Authorised Representative)の設置並びに適合宣言書及び技術資料の保管(EU域外に立地する製造者に適用。)

お問い合せ先

個々の製品の検査、審査及び証明方法等詳しい内容につきましては、下記にお問合せください。

一般財団法人 日本海事協会
ピレウス事務所
(Nippon Kaiji Kyokai (Greece) S. A.、ノーティファイドボディ(Notified Body))

Tel: +30-210-483-2404
Fax: +30-210-483-2405
e-mail: medgr@classnk.or.jp or pr@classnk.or.jp

(EC型式検査(モジュールB)、
製品確認検査(モジュールF)及びユニット検査(モジュールG)について)
一般財団法人 日本海事協会 材料艤装部

Tel: 03-5226-2020
Fax: 03-5226-2057
e-mail: eqd@classnk.or.jp

(生産品質保証(モジュールD)及び製品品質保証(モジュールE)について)
一般財団法人 日本海事協会 認証部

Tel : 03-5226-2178
Fax: 03-5226-2179
e-mail: qad@classnk.or.jp