IACSの動向

IACS (International Association of Classification Societies:国際船級協会連合)は、海上の安全の向上及び海洋環境の汚染防止に向かって活動すること、関連する国際的及び国家的な海事組織との情報交換及び協調の場を提供し、世界の海事産業と緊密な協力を行うことを目的として1968年に本会を含む7の船級協会(ABS、BV、DNV、GL、LR、NK、RINA)で創設されました。現在、IACSには本会を含む12の船級協会が加盟しており、総トン数ベースで、全世界の90%以上の国際航海を行う船舶がIACS加盟の船級協会に登録されています。

IACSには最終議決機関であるCouncil、一般的な政策検討を行うGPG(General Policy Group)があり、その下に主に統一規則及び統一解釈等の制定改廃にかかわる技術的な検討を行う5つの分野(Hull、Machinery、Safety、Environmental及びSurvey)のPanel(技術部会)が設置されています。IACSの組織を下図に示します。

IACS組織図
IACS 組織図

常設の事務局(Permanent Secretariat)が1992年よりロンドンに置かれており、事務局長1名の他、IMOへの対応業務、議長の補佐等、事務局の業務を遂行するため総勢約10名がその任に当たっています。また、IACSの品質システムを管理するためのQuality Committee、特定の案件を効率的に検討してCouncilやGPGに答申するために少数メンバーで構成されるSmall Groupや、全船級から専門家が参加するExpert Group等が設置されています。なお、特定の技術案件を一定期間内に効率的に遂行するために、少人数で構成されるProject Team(PT)を各Panelの下に設置して対応しています。

Council(理事会)

Councilの役割は、船級協会が、船舶の安全及び海洋環境の保護にかかわる一定の基準を維持する上で、IACSが極めて重大な役割を果たすことを周知することにあります。また、IACSメンバーの品質の高さ及び船級の重要性を示すための渉外や、IACSの基準を満たさない会員に対する措置の検討等、主として政治的な決定を行います。さらに、事務局長、GPG議長等の任命、予算の議決及び財政上の取り決めを行う等、組織統治に関する決定を行い、IACSの最終議決機関としての役割を担っています。

GPG(一般政策部会)

GPGの役割は、Councilが決定した政策、目標及び長期計画を実現するための活動を展開し実施すること、各Panelの作業範囲及び付託事項の定期的検証、Panelの作業計画及び予算の承認、Panelから提案されるIACS統一規則(UR:Unified Requirement)、統一解釈(UI:Unified Interpretation)、手順要件(PR:Procedural Requirement)等の制定・改正案の審議、及びこれらの技術決議の採択等となっています。また、特定の技術的案件に関し、関連業界との共同作業グループの設立を承認し、その結果をCouncilに報告すること、IMOやその他の機関における活動及び作業計画のうち、IACS関連事項に対する監視、対応等も行っています。

Panel(技術部会)

IACSの各Panelの役割は、それぞれの専門分野に関するUR及びUI等の技術決議の作成や保守を行うこと、IMO、ILO等の作業を監視し、必要に応じて参加すること、専門分野に関する問題を識別し、IACSとしての対応をGPGに提案すること等となっています。
現在、前述のとおりHull、Machinery、Survey、Environmental及びSafetyの5つの分野のPanelが設立されており、各Panel担当事項は次のとおりとなっています。

(1) Hull Panel
荷重及び強度、材料及び溶接並びに船体損傷等、共通構造規則(CSR)を含む船体構造に関する技術的事項

(2) Machinery Panel
推進システム、補機システム、発電及び配電システム、機関損傷等船舶の機関、電気及び電子システムに関する技術的事項

(3) Survey Panel
船舶、構成部品及び材料の検査及び証明に関連する技術的事項

(4) Environmental Panel
IMO等の国際機関が取り扱う海洋汚染、大気汚染、エネルギー利用等の環境対策に関連する技術的事項

(5) Safety Panel
上記パネルが取り扱うものを除くIMO、ILO等の国際機関が取り扱う全ての技術的事項