緊急時技術支援サービス(ETAS)

近年、ERIKA、IEVOLI SUNそしてCASTORなどの重大な船舶事故の発生が続きました。これらの事故の多くはヨーロッパ海域で発生していますが、シンガポール沖で発生したNATUNA SEAの事故はこうした船舶事故がアジア海域においても決して例外ではないことを思い起こさせます。ClassNKが提供する緊急時技術支援サービス(ETAS)はこうした重大事故が発生した際に技術面で船主を支援するものです。

ETASは、PrimeShipによる支援サービスのひとつとして、船舶の座礁、衝突、爆発、火災などの重大事故に際し、船舶の安全と海洋汚染を防止もしくはその影響を最小限にするために船主を支援するサービスです。船主やサルベージ会社と緊密に連絡をとりながら、ETASチームはサルベージ作業が状況を悪化させないように、または、悪影響を最小限に止めるよう助言します。

重大事故への備えはETASサービスに登録することから始まります。損傷後の船舶の復原性や緊急時の縦強度を計算する場合に備えて、 ETASに登録時にその船舶の全ての関連データが素早く活用できるようにデータベースへ入力されます。そして、船舶の安全を確保する最も有効的な対策が採られるための技術的助言が可能となります。緊急事態が発生した際には、船舶/顧客の方々には事故発生後直ちにETASチームにご連絡いただきます。必要な計算を行うためにETASチームは船舶から得た情報を予めデータベースに入力されていた情報と共に役立てます。そして、損傷を受けた船舶の船長または乗組員が緊急事態に迅速かつ効果的に対応できるよう必要な貨物、燃料油、バラストの移動、瀬取りあるいは仮修理について助言を行います。

時間は、危機管理の上で、しばしば結果を左右する重要な要因となります。ETASでは、造船技師、船長、機関長などの経験豊富なスペシャリストにより構成されたETASチームが、365日、24時間体制で顧客の緊急連絡に対応できる態勢をとっています。 ETASはClassNKが開発したトータル・シップ・ケア・システム“Primeship”を構成しているサービスのひとつです。ETASサービスをご利用いただくために必ずしもClassNKの登録船である必要はありません。他の船級を選択されている船主も緊急時にETASの専門知識をご活用いただくことが可能です。

ETASはMARPOL 73/78条約の付属書Iで要求される油濁防止緊急措置手引書(Shipboard Oil Pollution Emergency Plan)及び米国に入港する油タンカーにOPA90で要求されるVessel Response Planの要件に対応しています。

登録方法などETASについての詳細については検査部Tel.03-5226-2027, Fax.03-5226-2029, Email: svd@classnk.or.jpまでお問い合わせ下さい。

緊急時技術支援サービスパンフレット

緊急時技術支援サービス登録申込書(PDF版)
緊急時技術支援サービス登録申込書(Word版)