アスベストの取扱い
1. SOLAS条約II-1章第3-5規則に拠り、船上でのアスベスト含有物質(ACM)の使用は、キールが据え付けられた又はこれと同様の建造段階にあった時期により、 原則、次の適用となります。
- 2002年7月1日以前に建造された船舶
乗組員の健康に危険を及ぼさないことを条件に、すでに設置されているACMは、引き続き使用が認められます。 - 2002年7月1日から2010年12月31日に建造された船舶
ACMの新規設置は、特定の目的で使用される回転翼、継手、断熱材にのみ許可されます。 - 2011年1月1日から、すべての船舶について、ACMの新規設置は禁止されました。
2. 上記の要求事項に違反して、船上へ設置されていたACMが発見された場合、以下の処置を講じる必要があります。(MSC.1/Circ.1374/Rev.1)
- ACMの管理と除去の実行計画ととともに、旗国政府へ通知すること。
- 本実行計画が満足いくものであると判断された場合、旗国政府により、免除証書が発行される。
- アスベスト含有物質の除去は、発見されてから3年以内に、専門のアスベスト除去会社により、実施されること。
3. 2002年7月1日から2011年1月1日に設置されたアスベストを含むガスケットについては、以下の条件を全て満足すれば、SOLAS第I章 第5規則「同等物」として、引き続き船内での使用を主管庁が認めることがあります。(MSC.1/Circ.1374/Rev.1)
- 状態が良好であること。
- MSC.1/Circ.1045の要件を満たす「船内のアスベスト含有物質(ACM)に対するリスクベースに基づく保守・保全」が履行されること。
- ただし、アスベストを含むガスケットを含む関連機器の修理、または撤去が実施される際には、船内から取り除かれなければなりません。
旗国特別要件に関する最新情報は、下記の各国主管庁の指示よりご覧いただけます。
旗国 | 主管庁指示 |
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Antigua and Barbuda | SOLAS Circular No. 2020 – 006 (Rev 1) |
Bermuda | BGN 2020-12 |
Cayman Islands | GN 02/2019 (Rev 3) |
Denmark (EU) | DMA RO Circular No.005 |
Isle of Man | TAN 005-20 (Rev 4.) |
Netherlands | Instruction to RO and the maritime industry No.24 |
Norway | ノルウェー籍船の「インベントリ第一部(IHM)」作成時、「アスベスト含有物質(ACM)」が発見された場合の取り扱い:
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Portugal (EU) | DGRM CIRCULAR NO 67 |
ST. VINCENT AND THE GRENADINES | SOLAS 条約 II-1 章第 3-5 規則に違反して、船上でアスベストが発見された場合は除去すること。 ST. VINCENT AND THE GRENADINES MARITIME ADMINISTRATION CIRCULAR N° SOL 047 |
U.S.A. | 「シップリサイクルに関する欧州規則(EU-SRR)」を適用する米国籍船舶のIHM検査で、船上に「アスベスト含有物質(ACM)」が発見された場合の取り扱いは、「船の建造年月日」、「IHM検査」、「SC証書」、「適合証書(DOC)」、「安全管理証書(SMC)」を発行する船級協会の組合せに因る。 [建造年月日: 2002年7月1日以降、 SC証書発行及びIHM検査: NK]
SC証書発行及びIHM検査: NK]
SC証書発行: NK以外、IHM検査: NK]
SC証書発行: NK以外、IHM検査: NK]
安全管理証書(SMC)発行: NK、]
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お問い合わせ先
本件に関してご不明な点は、以下の部署にお問い合わせください。
一般財団法人 日本海事協会 (ClassNK)環境部
住所: 東京都千代田区紀尾井町4-7(郵便番号102-8567)
Tel: 03-5226-3025
Fax: 03-5226-3026
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